チャプター 30

『秘密の門』

マイケル視点

夜は、危険だけが命じうる沈黙へと沈みつつあった。

俺はシルバー・パック領の境界に立っていた。旅人の身なりに身を包み――擦り切れたブーツ、ほつれた外套、ぼろ布のフードを顔深くまで落とす。アルファの匂いを脱ぎ捨て、流れの癒やし手の気配をまとえるだけまとった。頬の痣は作り物だが、目に宿る焦りだけは本物だった。

「……ああ、こ、こんなものは正気の沙汰じゃない」

俺は吐き捨てるように呟いた。

何か月ものあいだ、答えを求めて探し続けた。噂は野火のように広がっていた――シルバー・パックにいる謎の癒やし手のこと。瀕死の者に手を置き、不可思議にも命を取り戻させる少年がいる...

ログインして続きを読む